この記事は、Thunderbird バージョン 3 における主な変更点と新機能について書かれています。
アカウント
- からアクセスできる メールアカウント設定ウィザード が新しくなりました。アカウントに関する情報を入力すると、Thunderbird がそのドメインのアカウント設定を Mozilla のデータベースに問い合わせて適切な設定を行います (設定の情報は Thunderbird チームによって収集されたものです)。Thunderbird は、Mozilla プライバシーポリシーをすべて順守しており、Mozilla Messaging のサーバにはメールアドレスのドメイン名の部分しか送信されません。Thunderbird が設定情報を見つけられない場合は、一般的な初期設定が試されます ("imap" や "pop" をドメイン名の前につけ、標準のポート番号を設定します)。メールアカウントのドメインから推定できないときは、アカウントを手動で設定する必要があります。
- 新しい IMAP アカウントは、オフラインフォルダ機能がデフォルトで有効になりました。必要になった時、既存の IMAP フォルダがオフラインに設定されます。個々のフォルダのプロパティか、 で無効にしてください。(同期とディスク領域 ページの ボタンをクリックすると、オフラインで使うフォルダのグループを指定できます。)
- のページ (あるいは ボタンをクリック) で署名が作成できるようになりました。HTML 形式で記述する にチェックを入れると HTML タグを使うことができます。署名ファイルを指定すると署名編集欄の内容は無視されます。 GIF, JPEG, PNG 形式の画像を添付ファイルとして署名に使用することもできます。署名を返信時や転送時に省くこともできます。これは、 ページで設定します。
- 新しく作成された POP アカウントの、サーバにあるメッセージが削除されるデフォルトの日数が 14 日に変更されました。この設定を変更するには、 をクリックし、左側パネルの サーバ設定 ページを選択します。あなたの好みに応じて、ページ内の サーバ設定 セクションの値を変更してください。
フォルダ
- スマートフォルダ (次のバージョン 3.1 リリースで "統合フォルダ" に改名されました) は、複数のアカウントのメールボックスを統合します。スマートフォルダを表示するには、メニューから を選択するか、フォルダペインの最上部右側にある進むボタンと戻るボタン (すべてのフォルダ表示を循環します) をクリックします。標準の表示 (アカウント名の下にフォルダツリー表示) に戻すには、メニューから を選択するか、フォルダペインの上部の三角ボタンを使います。
メッセージリスト
- Thunderbird 3 では、メッセージリストペインでスレッド化され折りたたまれたメッセージを選択すると、スレッドのすべてのメッセージの要約が表示されます。
- メッセージリストで複数のメッセージが選択されると、選択されたメッセージの要約が表示されます。
- 折りたたまれたスレッドを操作すると、その操作がスレッド内のすべてのメッセージに適用されます。例えば、折りたたまれたスレッドの最上位のメッセージを選択し、 ボタンを押すと、そのスレッドのすべてのメッセージが削除されます。
- メッセージリストに表示する列を変更した場合、その表示はフォルダごとに保持されます (フォルダごとに異なった列の設定ができることを意味します)。
メッセージ
- メッセージヘッダのメールアドレス ("差出人"や "Cc" など) の右にスターが表示されます。スターが中抜き表示の場合は、その連絡先がアドレス帳に存在しないことを示しています。スターをクリックすると、連絡先をアドレス帳に追加できます。スターが塗りつぶされていれば、その連絡先はすでにアドレス帳に存在します。スターをクリックすると、連絡先の詳細情報を編集することができます。
- メーリングリスト経由で送信されたメッセージを受信すると、 ボタンに、"返信" と "全員に返信" に加えて "リストに返信" というオプションが表示されます。(このボタンは、"List-Post" ヘッダが付いたメッセージに表示されます。)
- ヘッダのコンパクト表示機能 (メッセージヘッダを 1 行に圧縮して表示) は、削除されました。この表示を実現する拡張機能を使用してください。
- インラインで表示された添付画像をウィンドウの幅に合わせて表示することができます。マウスカーソルが虫眼鏡の形になったところで画像クリックすると、"画面幅" と "元のサイズ" を切り替えて表示できます。
- メッセージヘッダの差出人あるいは宛先、Cc のメールアドレスが、設定された自分のアカウントのいずれかにマッチする場合、そのメールアドレスは "(自分)" というテキストに置き換えられます。テキストをマウスでポイントすると、そのメールアドレスを確認できます。無効にするには、 の アドレス帳に登録されている人については宛先フィールドで <メールアドレス> 部を表示しない のチェックを外します。
タブ化したフォルダとメッセージ
Thunderbird のインターフェースが複数のタブ表示に対応しました:
- 新しいタブでメッセージを開くには、メッセージリストのメッセージをダブルクリック (あるいは、メッセージを選択して Enter キーを押します) するか、メッセージリストのメッセージを右クリックし、新しいタブでメッセージを開く を選択します。
- フォルダを新しいタブで開くには、フォルダを右クリックし、新しいタブで開く を選択します。
- メッセージやフォルダを中クリックすると、メッセージのタブを背面に開くことができます。
- タブを閉じるには、閉じるボタン (各タブの X マーク) をクリックするか、キーボードのショートカットの Ctrl + W キーを押します。
- タブツールバー右端のドロップダウンリストをクリックすると、タブの一覧から表示するタブを選択することができます。
メッセージ作成
- ボタンをクリックするとき、メッセージの一部 (テキストや画像) が選択されていると、メッセージすべてではなく、選択されている部分のみが返信に引用されます。
- 転送されるメッセージは、添付ファイルとしてではなく、メッセージ本文として送信されるようになりました。
- Shift キーを押しながら ボタンをクリックすると、設定とは逆の形式でメッセージが作成されます (すなわち、デフォルトがプレーンテキスト形式の場合は HTML 形式。または、その逆です)。
- 転送するメッセージへの署名は、手動で有効にしなければなりません ( ページにあります)。
- 添付ファイルのファイル名に拡張子を含めるかどうかを設定する新しい設定がオプションの 編集 パネルに追加されました。メッセージの添付ファイルがメールサーバによって制限された種類のファイルである場合、メールサーバが添付ファイルを破棄してしまう状況を避けることができます。
- メッセージ本文に "添付" という単語が含まれている時、そのメッセージにファイルが添付されているか確認するようになりました。これは、 で無効にできます (キーワードのリストも変更できます)。
- メッセージに貼り付けられた画像のデフォルトの形式は、(JPG から) PNG 形式に変更されました。
- メッセージにデフォルトの文字エンコーディングで表現できない文字が挿入された時は、自動的に UTF-8 への変換が行われるようになりました。
アドレス帳
- 誕生日の欄が新たに追加されました。
- アドレス帳の "カード" が "連絡先" に変更されました。
- 連絡先に画像を付けることができるようになりました。
- Mac OS X では、デフォルトでシステムのアドレス帳が読み込まれます。
検索
- 検索性能が改善され、洗練された全文検索機能と多面的な (分類された) 検索結果を提供する、新しい索引付けと検索システム (Gloda) が搭載されました。新しい検索機能はデフォルトで有効です。検索テキストボックスは、デフォルトでツールバーの右側にあります。1 つ以上の検索語を入力してください - 検索語を "and" と "or" のどちらで検索するかを選択できます。メールアドレスを入力すると、アドレスが自動補完され、部分的に一致したアドレスも表示されます (例えば、"ragat" は、"operagator" にマッチします)。検索結果は新しいタブに表示され、左パネルでさらに "絞り込み条件" (カテゴリ分けと追加の分類オプション)を設定できます。また、検索結果の上部にタイムラインが表示され、時間軸に沿ってメッセージを絞り込むことができます。
- Thunderbird の検索機能は、Windows Vista および Windows 7, Mac OS X Spotlight の検索機能と統合されました。この機能は Thunderbird の初回起動時に有効になりますが、 からいつでも機能を無効にできます。
性能と安定性、インターフェースの機能向上
- IMAP メッセージがバックグラウンドでダウンロードされるようになりました。メッセージの読み込みが速くなり、オフライン作業が改善されます。この機能はフォルダごと (フォルダプロパティから) またはアカウントのすべてのフォルダに対して ( から) 有効にできます。
- "イベントログの管理" ( ) は、Thunderbird とメールプロバイダの相互接続状況を記録します。これにより、有用なトラブルシューティング情報を得ることができます。
その他
- MathML がデフォルトで有効になりました。
- Thunderbird で動画コンテンツが再生できるようになりました。メールに添付された動画を再生するには、右クリックしてコンテキストメニューを開き、コントローラにアクセスしてください (セキュリティ上の理由からメール内の JavaScript が無効になっているため、コントローラは自動で有効になりません)。RSS フィードの動画コンテンツは、期待通りにコントローラが表示されるでしょう。
- アドオンマネージャ ( ) でアドオン (拡張機能とテーマ、プラグインを含む) の検索、ダウンロード、インストールができるようになりました。
- 受信トレイ (あるいは他のフォルダ) からメッセージを移動して保存するためのアーカイブフォルダシステムが搭載されました。アーカイブの場所は、 でアカウントごとに設定できます。メッセージをアーカイブするには、メッセージのヘッダの ボタンをクリックします。複数のメッセージをアーカイブするには、メッセージリストのメッセージを選択して、メニューから を選択します。デフォルトでは、アーカイブされたメッセージは、メッセージが送信された年のフォルダ名のフォルダに保存されます (メッセージがアーカイブされた年ではありません)。
- Mac ユーザは、Mac の Mail.app からメッセージをインポートできるようになり、新しいメールの着信アラートとして、"Growl" を使うことができます。
- Gmail ユーザは、Gmail の特殊フォルダ (送信済みトレイやごみ箱など) がより分かりやすく統合されています。英語以外のバージョンの Gmail も同じです。また、Gmail の "すべてのメール" フォルダがアーカイブフォルダとして使用されます。
- フォルダの最適化メニューと同じ機能をもった最適化ボタンが追加されました。ボタンを表示するには、ツールバーをカスタマイズしてください。